【論理的思考力を鍛える】使えるロジック! 登庁時囲み取材における橋下元大阪市長の論理

グースの部屋

使えるロジックシリーズ

今回は、2012年5月8日 当時、大阪市長であった橋下氏に対する登庁時囲み取材が舞台。

MBS女性記者が「卒業式の国歌斉唱時、教員の口元チェック」問題について執拗な質問を繰り返した際の、橋下市長の回答から紹介。

 

橋下大阪市長 「起立斉唱命令は誰が誰に対して出したんですか?まずは、そういう事実確認から入りましょう」

題材:「卒業式の国歌斉唱時、教員の口元チェック」問題

橋下市長に対する登庁時囲み取材の様子は下記で見ることができる。

【大阪】橋下市長「勉強してから来い!」無知で無礼なMBS女記者の醜態!

橋下市長のロジックを分析する前に、まずは、「卒業式の国歌斉唱時、教員の口元チェック」問題の概略を順に記述する。

.  条例 に基づき、大阪府教育委員会 が 国家を起立斉唱せよとの職務命令を全教員に対して出した。
.  斉唱 のチェック方法について、中原校長が教育委員会に相談したところ、「凝視などはせずに、遠目で確認して下さい」との回答を得る。教育委員会は、最終的な判断を各校長に委ねるとしている。
.  教育委員会からの回答に従い、遠い位置から教員を見て起立斉唱の有無を確認し、3名の教員を斉唱していないとして校長室に呼び出す。うち1名は斉唱していなかったことを認めた。
.  上記一連の事柄を、橋下市長が 服務規律を徹底するマネジメントの一例 としてメールで紹介。
.  メールを確認した生野 教育委員長は「メールを読み、言葉を失う思いです。愛国心という問題が単なる規律問題の一つと化さないように、もっと悠々たる度量でご検討を」と批判。
.  各メディアが 卒業式の国歌斉唱時、教員の口元チェック として報道。教育委員会側は「やりすぎではないか」とメディア取材に回答する。
.  中原校長に批判が集まる。その件について、橋下市長が 登庁時囲み取材 で回答する。

以上の事実を踏まえ、橋下市長に対する登庁時囲み取材の内容を確認する。

登庁時囲み取材で、MBSの女性記者が橋下市長に対して質問を投げかけた。

その内容は、卒業式の国歌斉唱時、教員の口元チェック問題について、MBSが府立学校の校長43人対して独自に行ったアンケート結果に基づくものである。

女性記者の質問としては、アンケート結果に基づき、斉唱時の口元チェックはやりすぎなのではないか?それについて橋下市長どう思いますか?というところだ。

(略)起立と斉唱をそれぞれ確認すべきと考えていた校長は43人中、わずか1人だったんですけれども
それはもう各校長の判断でしょうね。ただ、職務命令の内容は起立と斉唱です。それが、教育委員会、教育行政の最高意思決定機関の決定内容です。だから、起立と斉唱を命じた訳ですから、それをしっかり守るということが、教育委員会の管理下に入っている校長の職務ですね。
あとは、それぞれどのように判断するかという点、これは教育委員会も各校長の判断に委ねるということになっていますけれども。職務命令の内容は、起立と斉唱です。

橋下市長は懇切丁寧に回答している。

まず、職務命令の中に起立と斉唱が入っていること。そして、その判断は各校長に委ねると教育委員会が決めているということ。

これらの意味することは、校長43人に対するアンケート結果がどうであれ、中原校長が国歌斉唱時に教員の口元をチェックしたことには何の影響もないということだ。しかし、女性記者は質問を続ける。

しかし、アンケートでは、43人中38人が起立と斉唱を1つと捉えれば良いと思ったということなんですけれども、(=斉唱時の口元チェックはやりすぎではないか?)

職務命令の内容を理解していないのか、女性記者はあくまでアンケートの結果から、斉唱時の口元チェックはやりすぎではないか?という主張を押し付けようとしている。

そこで、橋下市長は(実質意味のない)アンケート結果にはふれず、小学生にでも分かる簡単な例を出した(アナロジー思考)。

小学生に対して、起立と斉唱をしなさいと言って、立ってるだけで音楽の点がつきますか?
どうですか?僕が質問しているんです。

しかし、この至極簡単な質問に対し、女性記者は答えずに話を逸らせようとする。

いや、私の方からお聞きしているんで

こういったマスコミの手法としては、いたって単純なもので、事実がどうか・相手の主張がどうかは全無視で、独自にこさえてきたデータ・主張のみを押し付けようとするものである。

こんな者とまともにやりやってしまうと、受けた方も不要な害を被ることになる。馬鹿とは付き合いたくないものだが、現実問題、回避できない場面も出てくる。

橋下市長はまさに、そんな状況下にいる。しかし、次の返しで、相手のアンケート頼みの質問攻撃を一蹴する。

この場は別に議会ではないんで、僕は答弁の義務だけ負っているわけではないんです。

相手が繰り返す不毛な質問を跳ね返し、こちらからの質問に答えさせる状況を作るために、両者の立場が対応である、こちらが答弁の義務だけ追っているわけではない、という状況確認を明示的にする回答。

これにより、相手は同じ質問を繰り返すだけの手法は(聴衆の目もあり)やりづらくなる。その上で改めて、橋下市長は質問をリフレインした。

どうですか?起立斉唱という言葉の中に、立つだけの意味しか入っていませんか?

すると、女性記者は質問をアンケートから離れた内容に切り替えた。

立って歌わせることについてはどう思いますか?
起立斉唱命令なんです。どうなんですか?教育委員会の決定なんです。この国語の中で、斉唱の命令は入っていませんか?

橋下市長は冷静に事実のみをリフレインし続ける。

そもそも、教育委員会の決定した起立斉唱命令に従った中原校長の行動について、この取材の場で「どう思いますか?」と質問すること自体に意味がない、と橋下市長は暗に伝えているのだろう。

答えを言わなければ、僕も質問には答えません。それは対等な立場ですから。どうですか?起立斉唱命令の中に、斉唱の命令は入っていませんか?
入っているとして、一律に歌わせることはどう思いますか?

ついに、女性記者が今回の一連の騒動についてほぼ何も知らない状態であることの片鱗が見えた。

起立斉唱命令は、条例に基づき、大阪府教育委員会 が 全教員に対する職務命令として出したものである。この事実を知っていれば、「一律に歌わせることは〜」という質問が出てくる可能性は低い。

そこで、橋下市長は、「起立斉唱命令の中に、斉唱の命令は入っていませんか?」という小学生でも分かる簡単な質問から、事実を知らないと答えられない質問へと切り替えた。

斉唱の命令は誰が誰に対して出したんですか?まずはそういう事実確認から入りましょう。命令は誰が誰に出したんですか?
それは市長がよくご存知なんじゃないですか?

事実を答えない女性記者。ここから、橋下市長の反撃が始まる。

まずは事実確認をしっかりしてから取材して下さい。命令は誰が誰に出したんですか?事実確認が不十分な取材なんてのはとんでもないです。

これは取材のみにあてはまるロジックではない。両者の主張が食い違う原因、それは、①前提が異なる ②前提からのロジックが異なるの2パターンぐらいしかない。

今回のケースでは、②は小学生でも分かる国語レベルの話である。であれば、①前提が異なる(事実に対する認識が異なる)が主張の食い違う原因である、と橋下市長は瞬時に判断したのであろう。

市長がご存じのことを私に訪ねてらっしゃるだけですよね?それはおかしなことですよね
いや、そんなことはない。知らないのに、質問なんてできないじゃないですか?
いや知ってますけど
じゃあ、言って下さいよ。じゃあ僕も答える必要がありません。
いえ、じゃあすみません。
いや、答えません。そんな事実確認の不十分な質問には答えません。命令の主体は誰なんですか?

前提が異なる(事実に対する認識が異なる)状態で議論しあっても、意味がない。

そして、前提となる事実をろくに調べもせずに、独自にこさえてきたアンケート結果のみを詳しく語るばかりの相手と話すことに意味がない。ここでようやく、女性記者が質問に答えるが…

(命令の主体は)〜〜ですか?
とんでもないですよ!もっと調べ下さいよ。誰が教育行政の決定機関なんですか?そんなことも知らずに取材なんか来るんじゃないんですよ。
命令の主体も知らないのに、なんでこんな取材ができるんですか?じゃあ、命令の対象者は誰ですか?

ついに、女性記者の無知さが露呈してしまった。この後もひたすらに不毛な質問が続くが、それは割愛する。

驚くべきことは、(本人は否定しているが)女性記者が起立斉唱命令の「命令の主体」と「命令の対象者」すら知らない状態で、今回の質問を投げかけていたことである。

取材冒頭では、対等に議論しているように見えたが… 事実確認すらできていない状態であることが判明した女性記者。これは、細い棒だけ持って銃弾の飛び交う戦場に行くようなものである。

そんな状況でも声を大にして取材を続けようとする女性記者のメンタルはいったいどうなっているのか…

いずれにしても、こういった状況で議論することに1mmの価値もない。こんな相手が、独自に調べてきた事柄・データ(アンケート結果)に基づき、自分に不利益をもたらす主張・質問を押し付けてきたシチュエーションを考える。

アンケート結果を参照すると、相手の主張が正しいように聞こえてしまい、その主張を飲んでしまうことが多いのではないだろうか。

しかし、冷静に相手のロジックを聞いていると、そのアンケート結果と議論している主張との間には関係がなく、相手が前提としている事実が歪曲されている(もしくは事実を知らない)、ケースが多い。

こういった場合は、相手の提示するアンケート結果にはふれず(相手の土俵には乗らず)、前提となる事実とロジックを順を追って確認するのが良い。そうすれば、相手を脱線させることなく、自分と同じ主張まで引っ張ってくることができる。

もしくは、事実も知らないような者は相手にしない、と拒絶してしまうのも手である。こうして虚勢ばかりの相手とは戦わずに済ませることが、自由気ままに生きるための1つのコツと言えると思う。

 

相手が繰り返す不毛な質問に答えているだけでは、こちらが劣勢になる。こういった状況は早い段階で打破し、こちらからの質問に答えさせる状況を作ることも重要(両者の立場が対応である、こちらが答弁の義務だけ追っているわけではない)

 

前提が異なる(事実に対する認識が異なる)状態で議論しあっても、意味がない。

 

相手を脱線させることなく自分と同じ主張まで引っ張ってくるためには、相手の提示するアンケート結果にはふれず(相手の土俵には乗らず)、前提となる事実とロジックのみ順を追って確認するのが良い

 

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